昔、真砂の荘司の家に熊野へ参詣する山伏が泊まりました。
荘司の娘は幼い頃より、その山伏が夫となる人だと父より聞かされ、恋したいます。
しかし、ある日山伏に裏切られたと知るや、その後を追い、男を思う一念に、
ついには蛇身となって日高川を泳ぎ渡り、道成寺まで来ます。
鐘の中に隠れた山伏を見つけ、龍頭をくわえ七回り取り巻き、
口から炎を出し、焼き殺してしまったのでした。