回転ずし業態首位の「あきんどスシロー」を運営するスシローグローバルホールディングスは3月30日、東京証券取引所1部市場に再上場した。2009年に非上場となって以来、8年ぶりの市場復帰だ。
 上場に伴い、筆頭株主である英投資ファンドのペルミラが所有する98.45%の株式のうち76%を売り出し、約8%分をJA全農や取引先企業が取得した。ただ、ペルミラは20%強の株式を保有する筆頭株主として、今後も経営に関与する。

スシローは長い間、経営体制が盤石ではない状態が続いた。2007年に創業家から株式を取得したゼンショーと対立。
2008年に日系投資ファンドのユニゾン・キャピタルと資本提携を行い、翌年にはユニゾンが主導する形で上場廃止となった。
ユニゾンは出口戦略として2012年にペルミラに株式を売却。結果的に、スシローはこの10年間で3回も筆頭株主が入れ替わったことになる。

“勘”だけに頼っていた出店施策についても、「ビジョンマップ」と称した戦略図を基に、地域ごとの需要や店舗収益予測を細かく検証する手法を採用し、精度を向上した。
ペルミラの日本統括責任者で、スシローの社外取締役でもある藤井良太郎氏は現在のスシローについて、「顧客のニーズに合わせて様々な楽しみを提供できるようになった。新しいスシローへと進化することができた」と語る。
数々の改革が奏功し、ペルミラ出資後のスシローの既存店売上は5期連続でプラス成長を保つ。つれて業績も好調で今2017年9月期も増収増益を見込む。
念願の市場復帰を果たしたスシローだが、再上場に伴い明らかになった問題がある。財務体質の脆弱性だ。