川上慶子さんの証言
・気が付くとまっくらで、あたりには油のにおいが漂っていた。
・子供の泣き声をはじめ、乗客のざわざわとした声が聞こえた。
・大人の励ます声がして小さい男の子が「うんボク頑張る」と言っていた。
・自分の体を触って確かめると、欠損個所はなく、自分は生きているのだと感じた。
・自分以外の家族は生きているか確かめるため、名前を呼ぶと父親と妹が返事をしたが、母親からの応答はなかった。
・父親に手足を動かすよう言われ、動かしてみると靴が脱げそうになったため、手を足へとのばしたところ、足首がぬるぬるとしていたため、血だな、と思った。
・父親が右わきから下半身にかけて乗りかかっており、身動きが取れない状態だった。無理に動こうとすると、自分の腹部がとても苦しかったため、「お父ちゃん、お父ちゃん、苦しい、苦しい。すごく痛い」と言っているうちに、父親は動かなくなってしまった。
・妹に聞くと、母も父も冷たくなって死んでいると言った。