平昌パラリンピックのスノーボードに出場する成田緑夢(ぐりむ、24)が12日、初滑走に挑む。兄は2006年トリノ五輪に出た成田童夢(どうむ)さん(32)。オリンピアンの兄が、パラリンピアンの弟にエールを送る。

 緑夢は、いずれも元五輪代表の童夢さん、今井メロさんの弟。1歳の時から3人一緒で雪山に行くのが日常だった。緑夢は「スノボ一家に生まれたのでそれ以外の選択肢はなかった」と振り返る。
熱血指導の父の下、童夢さんとメロさんは兄妹で06年トリノ五輪のスノーボード代表に選ばれる。ところが本番で童夢さんは着地に失敗し、メロさんは転倒。ともに予選で敗退し、力を出し切れずに終わった。
当時、緑夢は小学6年生。2人の背中を追って五輪を目指したが、19歳でトランポリンの練習中に大けがを負い、左足に障害が残った。医師からは「スポーツはもうできないかも」と告げられた。
落ち込む日々を経て、緑夢は試行錯誤しながら競技を再開。高い身体能力と練習量で左足をカバーし、パラリンピックの代表となった。兄はそんな弟に対し「ただただ楽しく滑ってほしい。そうしたら結果はついてくる」と話す。