真須美の死刑確定後、再審請求を行った弁護団は、蛍光X線分析の第一人者である京都大学大学院工学研究科教授の
河合潤に、中井による鑑定書の解説を依頼した。
その後、河合が独自にヒ素の再鑑定を行ったところ、林宅の台所にあったヒ素は不純物が含まれ低濃度であるのに対し、
紙コップに付着していたヒ素は75%(亜ヒ酸濃度に換算すると98.7%)と高濃度であることが判明した。
言うまでもなく、低濃度のヒ素を紙コップに移しても、高濃度にはならない。
また、ヒ素を摂取したり接触したりすると、その痕跡が毛髪に残るため、検察は真須美の頭髪の鑑定も行い、
有罪の根拠としたのだが、河合はこの鑑定に対しても疑義を唱えている。