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迎えた完成披露会当日。津曲がたくさんの投資家を集めてくれたことや涼次の動画の仕上がりもあり、鈴愛達は多くの出資金を調達することができました。そして、そよ風ファンはいよいよ大量に制作する段階に進みます。その矢先。
東日本大震災が発生。そよ風ファンの部品の調達は難しくなり、制作は頓挫してしまいますが、鈴愛には、そよ風ファンよりも気になることがありました。それは、仙台に引越して、海の見える病院で働いていたユーコのことでした。
地震が起きてから、鈴愛はユーコと連絡がとれておらず、ボクテからもユーコのことで連絡が入りました。鈴愛は、テレビで見る津波の映像が怖くて仕方がなくなっていた頃、花野が突然学校に行かず、いなくなってしまいます。
花野は鈴愛の不安を敏感に感じ、学校でお漏らしをしてしまって馬鹿にされていたことで、学校に行っていなかったのです。慌てて花野を探した鈴愛が花野を見つけたのは、涼次のところでした。鈴愛は花野を抱きしめ、
転校してもいいんだよと花野の気持ちを考えて対策を練ります。そんな中、涼次は鈴愛に、花野と3人で家族をやり直さないかと言いますが、鈴愛はそれをきっぱりと断りました。鈴愛の心には涼次ではなく、律がいるからで、
それは、花野もわかっていました。一方、鈴愛の願いとは裏腹にユーコが亡くなったという連絡がボクテから来ました。その話を聞いた鈴愛はショックで何もできなくなってしまい、そんな鈴愛の様子を見た律は、鈴愛を心配して
岐阜に帰るようにアドバイスします。岐阜に帰った鈴愛は、部屋に引きこもり、家族との団欒もせず、部屋でただ天井を見上げるばかりでした。そして、和子の遺影に手を合わせに萩尾家に行きます。