八ッ場ダム、一気に「満水まで10m」…台風で54m上昇

国が来春の運用開始を目指し、今月1日に貯水試験を始めた八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の水位が、
台風19号による大雨で急上昇した。国土交通省関東地方整備局の速報によると、13日午前5時現在の水位は標高573・2メートルとなり、
満水時の水位(標高583メートル)まで10メートルほどに迫った。
台風によるダムの被害は確認されていない。
八ッ場ダムでは、満水にした後に最低水位の536メートルまで下げていき、
ダム本体や周辺の斜面の安全性を確かめる試験湛水(たんすい)が始まっている。
国交省は、最高水位に達するまで「3〜4か月かかる」とみていたが、周辺では11日未明から13日朝までに累計347ミリの雨が降り、
山間部から流れ込んだ水でダム湖の水位は約54メートルも上昇した。水没予定地に残された鉄橋も11日時点では見えていたが、完全に水の底に沈んだ。