井沢元彦(お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで)

渋沢は近代資本主義の道徳を確立した。
渋沢がいなかったら、日本はどうなっていたか?
格好の例がある。
「渋沢なき資本主義」で一度は近代国家をつくった中国だ。
孫文が清朝を倒した辛亥革命(1911年)である。
 しかし、この「ブルジョア革命」はうまくいかなかった。
倫理なき弱肉強食の資本主義が横行し、国民党は腐敗堕落し、
「資本主義打倒」をスローガンにした共産党にとってかわられた。