『鎌倉殿の13人』歴史研究家が指摘「このペースでは最後まで終わらない」

「第20回まで終わりましたが、進行がやや遅すぎると感じています。主人公である北条義時が活躍するのは頼朝が死んでから。
なのに、物語は弟・義経の追討がようやく終わったところで、頼朝はまだ征夷大将軍にもなっていません。このペースだと物語のクライマックスである『承久の乱』をしっかり描けるかどうか……」

 頼朝が征夷大将軍に就任し鎌倉幕府が成立するのは、義経の死の3年後。その直前には暗躍を続けている後白河法皇(西田敏行)の崩御もあり、まだまだ「未消化イベント」が多く残っている。
相当な駆け足で進まないと義時の生涯を描ききれない」

『承久の乱』で義時と対立する「ラスボス」である後鳥羽上皇のキャストには、すでに尾上松也が内定済。北条政子の覚醒など多くの重要イベントが待つ後半、ここまでの濃さを維持できるのか──。

「例えば『壇ノ浦の戦い』で最も有名な那須与一が扇子を射貫くシーンを完全に省略するなど、登場人物の造型に影響を持たないと判断された出来事は思い切ってカットされている。
 進行上の問題もあり、今後も歴史上有名な出来事がバッサリとカットされる可能性はあります。一般的な通史にとらわれない人間ドラマをどう描くか、注目です」