これまで「ひきこもり」は日本特有のものとされ、特定の文化に関連した症状とされてきた。

しかし、いまや国境を越えた問題となっている。BBCによれば、韓国では2005年に思春期にある3万3000人がひきこもりとされ、香港では、2014年の調査で、「ひきこもり」にあたる若者は人口の1.9%だった。

 朝鮮日報によれば、韓国では、15~29歳の無職の若者で、「ただ家にいる」と答えた若者は、2018年には29万人にも上り、無職の若者の19.5%を占めている。
韓国の場合は、就職難も影響しているようだ。仕事を探すのがますます難しくなれば、若者は自信を失い、他者との関係を絶ち、社会的に孤立してしまうと専門家は指摘している。

 アメリカの「ひきこもり」を研究するアラン・テオ氏は、アメリカでは学校にも行かず、仕事もなく、訓練も受けていない、いわゆるニートが「ひきこもり」となっており、多くの場合、若い男性だという。
ちなみに、ピュー研究所の2015年の研究では、アメリカのニート人口は1000万人とされているが、「ひきこもり」の数は把握されていない(NYMAG)。

 さらに、インドやスペインでも「ひきこもり」に当てはまる人々は確認されている。
海外では多くの場合、データの収集が始まったばかりであるため、今見つかっているケースも氷山の一角かもしれないということだ。