>>48 
第2回の引用部分ははこんな文章です

それにまた、ほとんど半世紀の平和のあとで、一九一四年における大衆の大多数は
いったい戦争について何を知っていたであろうか。
彼らは戦争を知らず、ほとんど戦争のことを考えたこともなかった。
戦争はひとつの伝説であり、まさしくそれが遠くにあることが、戦争を英雄的でロマンティックなものとしたのであった。
彼らは戦争をあい変らず学校の教科書や画廊の画のパースペクティヴで眺めていた。
金ぴかの軍服を着た騎兵のまばゆいばかりの突撃。いつも壮烈に心臓の真直中を射抜く致命的な弾丸。
出征の全体が高らかに鳴り響く勝利の行進であった。――
「クリスマスにはまた帰って来ますよ」と、一九一四年八月に新兵たちは笑いながら、母親たちに叫んだのであった。