土臭、青臭さや、どんぐり独特の苦い臭いを、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。
臭ぇぜ、ワッショイ! 木の実ワッショイ!と叫びながら、どんぐりを拾う。
嗅ぎ比べ、一番苦味がキツイやつを主食に選ぶ。
そのどんぐりには、樹液の染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。
その木の実を付けた木は、森で一番風格のあった樹齢40代の、
クヌギの木だろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭い部分を押し当て、
思いきり嗅ぎながら、クヌギ野郎臭ぇぜ!俺が食ってやるぜ!と絶叫し、
前歯をいっそう激しく動かす。
そろそろ限界だ。