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東京帝大法学部出身で、海外での経験も豊富な父は「女性も知識と仕事を持ち、自立して生きるべき」という当時では最先端な考えの持ち主。
一方の母は、自身が養女でキツい養母にこき使われ、やっとの思いで女学校を出た経験から、娘には充分な教養を身につけさせたいと思いつつも、その「教養」はあくまで良妻賢母になるためのものであり、女の幸せは結婚と信じて疑わない人だった。