転載

 千葉県の人と東京都区内の人が、待ち合わせの約束をする。「シアサッテ、○○で会いましょう」と。
当日、どちらの人も指定した場所にやってきた。
しかし、2人は会えなかった。千葉県の人の「シアサッテ」は、“あさっての翌々日”だが、
東京都区内の人の「シアサッテ」は、“あさっての翌日”だからだ――。

 これは、「シアサッテ」の地域差を表した笑い話だ。「シアサッテ」は、共通語では、“あさっての翌日”。
だから、千葉県人といっても今の現役世代では、このような事態は起きないはずだ。
しかし、70年代頃までは、東京都区内を除いた東日本のほぼ全域で、
「シアサッテ」=“あさっての翌々日”という認識が残っていたらしい。

『滅びゆく日本の方言』(佐藤亮一/新日本出版社)