まだ第1回しか視聴してないけど、相変わらず、番組関係者は、著書の内容が難解であることと悪訳のせいで解り難くなっていることとをきちんと区別できていないようだ。

「我々の活動能力を増大しあるいは減少し、促進しあるいは阻害するものを善あるいは悪と呼んでいる。」

ラテン語ではこういう言い方をするのかも知れないけど、普通、日本語では

「我々の活動能力を増大し促進するものを善と呼び、減少し阻害するものを悪と呼んでいる。」

てな風になるだろう。
上記のような【あるいは】の使い方は普通しない。
【あるいは】を【又は】【若しくは】に置き換えてみれば、不自然さがもっとはっきりするだろう。

他にも「実有(ジツユウ)」だの「思惟(シイ)の様態」だの「何じゃ、そりゃ」だ。
半世紀以上も前の訳文を崇め奉るのはいい加減止めればいいのに。
“やる気をそごうとしてる”のは、スピノザではなく、翻訳者とこの翻訳をよしとする者たちだ。