http://www.asahi.com/articles/ASKB46CRVKB4ULFA02G.html
NHKの31歳女性記者が過労死 長時間労働で労災認定

日本放送協会(NHK)の記者だった女性(当時31)が2013年7月に心不全で死亡したのは過重労働が原因だったとして
14年に渋谷労働基準監督署が労災を認定していたことが分かった。NHKが4日、発表した。ピーク時の時間外労働は月150時間を超えていた。

職員が労災認定を受けてから3年余り、NHKは局内で起きた過労死を公表していなかった。
この間、電通の過労自殺事件をはじめ、過労死問題を手厚く報道しており、公共放送としての報道姿勢が問われそうだ。

NHKや遺族の説明によると、亡くなったのは、入局9年目だった佐戸未和(さど・みわ)さん。05年3月に一橋大法学部を卒業後
同年4月に記者職としてNHKに入局。鹿児島放送局で5年間勤めた後、10年7月から東京・渋谷の首都圏放送センターで勤務していた。

同センターでは、主に東京都政の取材を担当。都庁の記者クラブに所属していた。亡くなる直前は、13年6月の都議選、同7月の参院選の報道にかかわった。

参院選の投開票から4日後の7月25日、都内の自宅のベッドで倒れているのを親しい友人が発見した。前日の未明に帰宅した後
うっ血性心不全を起こして急死した
渋谷労基署によると、亡くなる直前の13年6月下旬から7月下旬まで1カ月間の時間外労働(残業)は159時間37分。
5月下旬からの1カ月間も146時間57分にのぼった。労基署は都議選と参院選の取材で「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定。
「相当の疲労の蓄積、恒常的な睡眠不足の状態であったことが推測される」とした。