薩長政府の維新政府は体制側で、その子孫が今の自民党政府を動かしてるし
みんな生生しくて嫌いな人も多いんだろう。
西郷や大久保は薩摩の役人で組織の人間だし、竜馬みたいな反体制の自由な
一匹狼でもないから、かっこよくもない。

大野靖子脚本の幕末物「花神」は陸軍の父の大村益次郎(村田蔵六)が主人公だが、
長州の支藩の村医者出身で武士ではなく、冷遇され差別される階級。

独力で努力して大阪の緒方洪庵塾で、オランダ語と医学を学んだ学者。
四国の宇和島藩に仕え蒸気船を作り、幕府にも使え、ようやく長州藩に実力を認められ
軍事専門家として愛郷心で仕える。

医者で学者なので合理主義者で近代的で、批判精神旺盛で毒舌家で、旧態依然の
体制批判や長州の官僚にも皮肉を言う独立独歩の人間。
シーボルトのハーフの娘の女医とは医者仲間で師弟関係があり、プラトニックラブ。
西郷みたいな保守的な軍事オタクではなく、福沢諭吉みたいな西洋を理解してる合理主義者
で常に体制批判だからおもしろかった。

西郷は今の時代のニーズには合わない主人公。