(続き)

茶々「あっ、薩摩船。」
  「ああっ」
勝永「お上様、こっちよ。」
千姫「母上様」
勝永「おおっと」
茶々「豊前守」
秀頼「よーしいいぞ、やってくれ。」
治長「了解。」
勝永「お、大坂城が…。」
全登「大坂城が、沈む。」
秀頼「左衛門佐が呼んでくれなければ、我々はあの炎の中に焼かれていた。」
茶々「じ、じゃあ、この船に源次郎はいないの?秀頼。」
秀頼「いない。母上の方が聞こえるんじゃないのか?」
茶々「えっ?」
秀頼「三度の落城を経験した母上の方が我々よりよほどニュータイプに近いはずだ。
  捜してくれ、左衛門佐を。」
茶々「で、でも、どうやって?…わからないわ。」
全登「左衛門佐様だけいないんだ、わからないかって。」
春 「そ、そんなこと言ったって。」
大助「さっき父ちゃんの声聞こえたろ?」
梅 「うん」
茶々「私がこの船にたどり着くまではあれほどに、源次郎。」
  「人がそんなに便利になれるわけ…、ない。」
梅 「そう、ちょい右!」
春 「梅?」
大助「そう右!」
大八「はい、そこでまっすぐ!」
春 「どうしたの?三人とも。」
大助「そう、こっちこっち、大丈夫だから!」
大八「そう、こっちこっち、大丈夫だから!」
梅 「すぐ外なんだから!」
茶々「源次郎!?」
春 「わかるの?ど、どこ?」
梅 「いい?」
子供達「4、3、2、1、0!」
茶々「…ああ」
春 「…」
子供達「わあーい!」
幸村「…」
きり「源次郎様!」
幸村「み、みんなは?」
  「ごめんよ、まだ僕には落ち延びる所があるんだ。こんな嬉しいことはない。
  わかってくれるよね?お梅にはいつでも会いに行けるから。」

うどん「慶長ダブルオー・トゥエンティ、この戦いのあと、徳川幕府と豊臣の間に終戦協定が結ばれた。」