第9回「恋の闇路」より

新三郎が早川に斬られるが、腕の立つ早川が何故新三郎に斬られたのかというと、石をぶつけられてひるんだす
きに新三郎に斬られたんですね(石を投げたのは恐らくガンツム)。それで腹を切ろうと言う新三郎に対して、
ガンツムはみよも一緒にを組(辰五郎の所)にひっぱっていく。

辰五郎たちは、彼らを助けようとする。それで逃げる方法を色々考えるが、と組(だったと思う)に隠し部屋が
ある、いや、江戸にいるのはまずい。上方に逃がしたらどうだろう、言葉ですぐ関東者と分かる。れんが「生麦
の兄さんのところはどうだろう」で、それがいいということになって、2人だけで行っても駄目だから手紙を書か
なきゃ。ここを出て船着き場に行く段取りは、と相変わらず細かい。

変な言い方だが、田向正建はこういう「2人を逃がすのに何をするか?」ということと、「武田信玄」等における
「戦に勝つために何をするか?」というのと同じ様に描く。「距離、時間、金銭、天気」など具体的に出して
「どういう方法があるか」も具体的に出して、解決法を見つけ出す、という描写を多く入れてくる。「徳川慶喜」
では「武田信玄」や「信長 KING OF ZIPANGU」と違って戦シーンがほとんどないが(禁門の変、鳥羽伏見の戦い
などはあるが)、今回以外でも、第1回だったと思うが、火消しのシーンでも「風向きはこうで、距離はこうで、
この長屋は間に合わないが、こっちの長屋は守る!」みたいな台詞を入れて、「まるで戦をしている感じだな」
と思ぅが、今回の「2人をどう逃がすか」というのも具体的に描かれており楽しめた。だから個人的にはこういう
オリキャラの場面でも面白く見られる。

続きます