第12回「日米修好通商条約」より

慶喜と家老の土岐が話している。ハリスが江戸に来て将軍に会うことになり、結局ハリス側が軍艦をよこしたことで、日本
側が屈服した格好。慶喜はそれが面白くないし反対である。慶喜は土岐に意見を求めるが、「拙者のような身分の低いもの
にそんなことが分かろうはずがありません。上のものに従います」みたいに言うが、慶喜の反対意見には「御意」と言って
しまい、「なんだそれは!意見がないのではなかったのか!」と慶喜をさらにイラつかせている。

土岐は極めて日本人的で、彼は「一橋家の家老で、旗本(このシーンで慶喜がそう言っている)」で、その彼が「自分の意
見や立場をはっきりさせるのはまずい」と考えてしまうと、彼の下にいる人間はもっとそうなってしまう訳で、「日本人が
自分の意見をはっきり表明出来ない問題」を描いたシーンであると思う。こうして「意見をはっきりさせると攻撃されやす
い」ということで、何か問題があってもすぐに意見が出にくい日本の問題を皮肉っている。22年前のドラマなのに、今も通
用してしまう指摘なのが悲しい。

続きます