>>258 より続き

江戸ではコロリが流行っており、死者が多く、しかも異人が毒をながしているという噂が出ている(ここら辺22年前の作品
なのだが、今のコロナ騒ぎに繋がるようで興味深い)。慶喜は街で棺桶をいくつも見たと語り「見ると聞くじゃ大違いじゃ
な」と言っている。辰五郎のところに来ていた知人も、物価が上がっていることを話している。そう!こういうところで、
いくらでも当時の状況を伝えられるのに「麒麟がくる」は、10年以上も主役の光秀が滞在した越前朝倉家の様子が全然描か
れていなかったのが不満なのである(笑)。

京都にいた(水戸藩の中での役職があったはずなのだが忘れてしまった)鵜飼吉左衛門と息子が捕まってしまい拷問を受け
る。薩摩藩など各藩の藩士で、彦根藩を攻撃する計画を立てていたという事である。この情報を受け、鷹司父子と、清子に
緊張が走っている。斉昭の姉でもある清子は、武士は笑顔でも最後に剣を抜くものなので、目立ってはいけません、と息子
の輔熙に言う。輔熙は大老には天罰が下るでしょうと言っていて、これは今後起こることだが、鷹司家の描写がしっかりし
ているので(私の書き方だと伝わりにくいが)、「安易な予言」に見えないところがいいと思う。

後、永原が慶喜の所に来た時、中根が席を外してしまい、それを平岡がとがめる描写があって、「側近の心得は何か」とい
う事を描いていてやはり細かいなーと思った。