>>295 より続き

しかしトップである将軍家茂は、昼から大奥に来て和宮や猫と遊んでいる。そこへ天璋院登場。私はこの作品の天璋院が好きで
この登場のシーンだけで大奥をしょって立つ威厳とか貫録が感じられていい(演者は深津絵里だが、当時25歳だったと言うのは
凄い。全然そう見えない)。天璋院は将軍のやること、御台所はその助けとなることだと話す。そして観行院と高部が朝廷と大
奥のやり方でまた対立している。しかし結局天璋院が「御台所としてそなたが公武一和をやりなされ、戦いなされ!泣いていて
も花は咲きません」とかっこいい台詞で締めている。残念なのが天璋院が結構長く喋ったのは作品中ここだけなこと。もう少し
出番が欲しかったのだが。

今回も話に出てきた長州藩だが、久光が公武合体のため上京したから何か動きがありそう。横井小楠も危ないという話を慶喜と
春嶽でしている(ウーン、長州藩が主役の「花燃ゆ」より、今のところ話にしか出てこない本作長州藩の方が何となく不気味で
凄く感じられるのはどういうことなのか?)。春嶽は、慶喜個人としては父斉昭のように尊王攘夷の方向なのか?と言うが、慶
喜は自分個人の考えなどなく、立場に応じて全力を尽くすだけと言う返し方をする。

それにしても最後で慶喜が話していた「湖の底に沈んだ男の話」と言う内容の昔ばなし、きっと何か意味があるのだろうが全然
分からないよー。田向正建はこういう昔ばなしを描写に入れてくることが多い(「武田信玄」の「八千年の春、八千年の秋」と
か)。これ一々全部自分で創作しているのだろうか?凄いといつも思う。