篤姫と西郷のあれは、「恋愛」というほど深いものがあったとは見えなかったけどな。
篤姫は徳川に輿入れする身として、自分の素の気持ちを隠して生きなければいけなかった。
でも、西郷だけは篤姫の素の心に寄り添ってくれた、良き理解者だった。
大地震で死ぬかもしれないという恐怖に直面した時に
真っ先に助けに来てくれた西郷を見て、篤姫は「遠くに逃げたい」という本音をポロっと吐露した。
西郷は、この時もやっぱり自分の気持ちに寄り添ってくれた。
だから篤姫は、それだけで満足することができた。
篤姫の西郷に対する思いは、「恋」というよりは「理解者」ではないのかな。
その遠い先に憧れみたいなものはあったかもしれないけど。