ついでに昔は良かったーの文脈で他所で反論しようとしたレス。

>独眼竜政宗、武田信玄、秀吉は傑作で、「武田信玄」のようなあの重厚さ
>は今の大河にはもう出せないだろう
>秀吉は農民から天下人にまでのぼりつめた男の爆発的なエネルギーが描かれてて、
>見ていて元気がでてくる大河だった

独眼竜のついでに茶々入れさせてもらいますが、信玄は確かに重厚だった。しかし、
・ドラマに必須の緩急に欠け、ひたすら重々しくニコリともしない作りが、大河の規範であるかのようなアナクロが垣間見れた
(この点、好きではないがジェームスはさすが)。
特に、義信事件を他の歴史展開を犠牲にしてまでも強調して、「絶叫する堤」を延々とやったのにはげんなりした。
・初恋おここ(史実基盤を有しない単なるオリキャラ)と瓜二つの諏訪姫(一人二役)に出会ったことが、四郎を後継者とする決定打とする、
あるいは、正室を悪く描かないための方便ともいえる「妖怪八重ーそれ自体は素晴らしく魅力的」のようなオリキャラ
など「史実歪め系オリキャラ」の存在。最後まで引っ張った信虎と愛人との架空の話もいかにも仰々しい。
・同じく、なんと桶狭間は信玄が操り、辛うじて存在が確認されたにすぎない勘助が勲一等というファンタジー(史実を歪める改変)。
など、問題の多い大河でもあった。
姫しゃまーはあれど、作劇的には風林火山に軍配が上がる。

描かれた秀吉がどんなに躍動的で魅力的であろうと、「大河秀吉」と銘打っておきながら、それ故に秀吉の生涯をトータルで
描くことを期待された大河において、
後世からボロクソ批判されざるを得ない側面、のみならず同時代人をもドン引きさせた秀吉晩年の暗黒面を
すべて捨象するような大河が、名作認定されることは間違ってもない。

★主人公を悪く描きさえすれば名作になるわけもなし(清盛で言えばプラスの歴史的偉業をきちんと描く方が遥かに重要)、
逆に、一生の中で垣間見れたブラック面に目を背けて名作になるはずもなし。
西郷さんは、少なくともこれまではそんなに悪どいことしてのし上がってきた一人ではない(禁門の変での民衆救済でわかるでしょ)。
本当に西郷のブラック面が描かれるのか心持たないが、幕末最終局面で変貌する西郷をやると中園女史も言っていたはず。
今後に期待しましょうよ。。。