西郷の挙兵賛同は、中原尚雄に拷問を加えて引き出した暗殺疑惑を信じ込んだのがきっかけ
しかも暗殺疑惑をただすなら代表者が上京して問詰すべきという正論にも沈黙した

なぜ挙兵を選択したかと言えば、陸海軍内から多数が寝返ると思っていたから
大山県令にも2月下旬か3月上旬には大阪に着くと語っているし
川村純義や樺山資紀の寝返りにも期待を寄せている

要するに政府を転覆する気満々で、しかもそれができると思ってたというのが通説なので
そこをぼかしたってどうにもならない

なお、中原尚雄の暗殺疑惑なるものはおそらく存在していない
この時の東京獅子の警察官の後年の回想に至るまで、暗殺だの挑発だのは全く出てこない
100%とは言い切れないが99.999%までは、暗殺どころか挑発の意図すらなかったのは確実
なぜなら川村純義はこの件を訴えらえて岩倉具視にすぐ通報した
岩倉や木戸はのっけから大久保・川路を疑ってかかり、2人は陳弁を余儀なくされている
さらに中原自身が戦後に裁判でこの件を糾問され谷口と対決されられている
かりに暗殺やら挑発と言った不法行為を指令して、1人でも捕縛され
それを引き連れて西郷が政府を詰問するという展開になれば
川路は失脚ではすまず自分自身が国事犯になる
そんなリスクを冒す馬鹿がいるわけがない