本題はAだけど
俺はさ打出浜の戦いまでの擾乱は身内同士のプロレスの側面もあると思うんだよね
実際有力武将は畠山直宗と上杉重能ら数人以外はほぼ死んでないし
この2人は太平記にも讒言で師直を陥れようとしたと書かれているわけで
まあしょうがない
だけど打出浜の後に直義が師直だけじゃなくて庶流や被官まで含めた高一族一門を
皆殺しにしてしまった事はどう考えてもマズいでしょ
中国じゃないんだから日本の権力闘争では普通そこまでやらない
まして高一族はそれこそ500年近く足利宗家の家宰を勤めてきた家柄なわけで
足利一門から見れば完全な身内だよ
しかも師直含めた高一族は功績は山ほどあるが、そこまでされる悪事を働いた形跡は無い
四條畷以降師直が調子に乗っていた事は事実だし、戦に負けた以上
師直とその兄弟子供まで殺されることは尊氏も黙認していた節はあるけど
一門皆殺しとなると完全に話として変わってくる
後の時代の秀次事件と同じような無謀さと後味の悪さがあるわけで
尊氏が実行犯上杉の死罪を要求したのも、大勝したはずの直義が急速に求心力を
失ったのも理解出来る
と言うか尊氏は上杉を直義が死罪にすればまだ現場の勝手な暴走と言う事で
直義へのダメージが最小限になるという事で助け船を出してやったようにしか見えないんだが
どう思う?直義はそれをはねつけてしまったから最終的に殺さざるを得なくなってしまったけど
以上の事からこの兄弟、普段真面目だけど一旦変なスイッチが入ると暴走が止まらない弟と
その弟の尻ぬぐいに奔走していたら知らない間に天下を取ってしまった兄にしか見えないんだけど