まんぷく62話感想より

>何かを刻むと言うよりも、誰かをこれから刺しに行きそうな、酷い包丁の持ち方をする鈴
>松坂慶子さんはベテランです。それなのに、家事のシーンの動きがいちいちおかしいのです。

62話のこのシーンを見ましたが・・・・・。松坂慶子の動きはおかしくありません。確かに包丁の持ち方が手慣れているとはいえませんが(それは
福子役の安藤サクラも同じ)、少なくとも『誰かを刺しに行きそうな』持ち方ではありません。

そしてそれを言うなら、「あさが来た」のはつも包丁の使い方は良くなかった。惣兵衛、はつ夫妻がみかん農家となり、子供も2人できてからだか
ら大分後のシーンであるが(何話か忘れたが)、はつの包丁さばきは『一人暮らしの女性そのもの』(一人暮らしだと自分のペースでできるので
ゆったりした使い方になる)。だがこの場合のはつはみかん農家をきりもりするおかみさんであり忙しいのだから、包丁さばきはもっとテキパキ
していないと厳密にいえば変。演者が宮崎あおいなのでそこまでできなかったのだろうが、よりリアリティを出すのなら、包丁のシーンははつの
顔をアップにして、手は誰か包丁のうまい人が代役するなり、演出でやりようはあったと思う。

そして大分昔の大河ドラマだが、この辺のリアリティがあったのが「おんな太閤記」のねね(佐久間涼子)。藤吉郎が帰ってきてしゃべっていても、
会話をしながら手は常に動いており、いつも家事をやっていて「おー、そういえば昔のお母さんってこういう感じだったなー」と思った(大分たって
から動画で見てそう思った)。

なのに、鈴の包丁シーンは『誰かを刺しに行きそうな酷い持ち方』で、はつの包丁シーンには何も感想のない武者氏。

要は『自分がいいと思っている作品』は何でもよく見えるし、『自分が悪いと思っている作品』は何もかもが悪く見える、というのが武者氏の特徴
なのだろう。