遣隋使や遣唐使など、海図もろくになく、人手で漕ぎ渡る船でよくもまあ大陸まで渡り
帰ってきたものだと思っていたが、遣隋使以前に列島に住んでいた人々は朝鮮半島に
勢力を広げ領土を拡張したり、うばわれたり、日常的に交流してたんだな。
白村江で大負けして列島を奪われることを恐れ、列島を統一して日本国を建国したと
思っていたが、敗戦は思ったほど影響しておらず、国内での覇権掌握が大化の改新の真の
狙いだったようだ。だが朝廷による支配も税収不足で不安定になり、地方の豪族の成長
で武士の世の中になる。鎌倉幕府はモンゴル戦で疲弊し、貴族政治の復活をねらった
後醍醐天皇も統治能力皆無でただ全国を戦火に陥れ、再度武家政権誕生。しかしますます
地盤を固める地方豪族に室町幕府はなすすべがなく、再び戦火の世を招く。過去二度の
武家政治の失敗に学んだ徳川政権が長期安定したのだが、モンゴルに代わって黒船が現れ、
これも瓦解。そして明治。天皇をかついだ近代国家も太平洋戦争で再構築。天皇は象徴となる。

戦乱続きの歴史ではあるが、権力者にとって食糧は大事という考え方から農民を
収奪することがなかったのが中国との違いだな。中国は人口が多いから、ニシンや
サンマの乱獲と同じで農民を大事にしなかった。人なんかいくらでもいる、と。
ある意味守られた農民は、農具を工夫し、田地を開拓し、本を読み、地方を視察して
知識や技能を高めていけた。人口の多数を占める農民のレベルが上がったことが国家を
強力にし、富国強兵を可能にし、敗戦の痛手からの復興を速やかにした。

長くなったが、これが還暦を超えていくらか本も読んだ俺の日本史観だ。
だからちまちました個々の大名の日常話には関心がない。むしろ富国強兵のような
国策から外れた方面で活躍した人物こそ、真の国力であると思う。いだてんはまさに
好例。期待大なり。