なつぞら28話感想より

>さて、元号が変わりました。そのあたりでもちょろっとだけ。

>回想番組を見ていると、こうして一区切りすることで、なんとなくいい時代だったと流されてゆくのだなぁ……と思ったものでして。
>そんなことない――と言っておきたい。

>平成の持つ毒や残酷な一面に、翻弄された当事者が声を上げると、いかに潰されるか。
>それを痛感したのが、ある意味『半分、青い。』バッシングです。まーた出たよ、という方はここまで。

>あの作品において、1971年生まれの楡野鈴愛と萩尾律たちが味わった苦難は、平成のリアルでした。

>就職や転職であぶれた者の直面した低賃金。LGBTへの無理解。シングルマザーの孤立無援。
>リーマンショックで切り捨てられる部門。東日本大震災。

>彼らも好きで職業を転々としたわけでもなければ、目標のない生き方をしていたわけでもない。
>その姿を赤裸々に、リアリティを持って描いただけで、わけのわからん批判があったものです。

>わがままだの、母親失格だの、自分勝手だの、何を目的として生きているのかだの。
>昭和と高度経済成長期に現役だった層はともかくとして。鈴愛と同世代でもぶっ叩いていたのはちょっと理解が難しい……。

>好き嫌いならそれでいいとして。あてつけのように嘘と差別まみれの****を絶賛していた層はもう理解が追いつきません。
>そういう意味で、****は朝ドラの使命を果たしていたとは思います。

>『あまちゃん』や『半分、青い。』にあった、平成の若者の直面するリアルを受け止めきれない。
>嘘まみれの昭和ノスタルジーにどっぷり浸っていたい。そういうファンタジー大好きな視聴者層を慰撫する。
>そういう役目もあるんだなと。

>何十年か後には、「平成って素敵! 誰もが自由に生き生きとできた、差別なんてない時代でした!」
>というお気楽ファンタジードラマが放映されているかもしれません。

>そういう意味では、本作と『いだてん』は挑戦的です。昭和のダークサイドにも踏み込んできています。

>戦災孤児の境遇、女子の大学進学をめぐる描写の時点で、こりゃいけると思ったものですが。

>期待を裏切らない。そういう手応えが強くなるばかりです。

>ストリップや博打という単語が出てくる。浅草のショーのいかがわしさ。しかも、アウトローど真ん中の人物も出てくるそうです。

>ノスタルジーではない、東映実録路線を思わせるような、昭和のドロドロした部分を朝ドラでどこまで迫れるのでしょうか?

>個人的にはもちろん期待しております。

何度も言うが(そして私は「半分、青い。」を総集編しか見ていないが)、「半分、青い。」は描写が悪い、と視聴者に思われたからい
ろいろ言われるし、別に「まんぷく」を絶賛していたのは、「半分、青い。」への当てつけではないのだが。「半分、青い。」が嫌いな
人が「まんぷく」を嫌いな場合、両方叩くだけである(そういう人もいるだろう)。

やはり「半分、青い。」は革新的な作品だったから叩かれているのだ!と思いたい武者氏。