>>933 魚拓乙です。

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>本作は『なつぞら』と構造やテーマに共通点があると思えます。

>私の趣味と言われればそうかもしれませんが、今日はっきりと感じたのは、宗一郎と喜美子のことです。
>年上の男性である宗一郎が、喜美子という少女を救っているようで、そうではない。お互い救いあっていると思えるのです。
>性別や年齢を超えた心の交流があればこそ、宗一郎は一番聞きたかった答えを聞けた。

>年上の男性が少女を指導するとなると、ゲスな下心満載の流れが多いとは思う。あるいは見下すとか。
>そうではなく魂と魂で交流して、嘘偽りがないからこそ、お互い救われていると思うのです。
>北海道と信楽。互いの性格。色々と違うけれども、泰樹となつのような、あの素敵な関係を思い出しました。

これね。武者氏とは全然違う意味なんですけど、私も なつ&泰樹、喜美子&草間、に類似性があると思いました。

泰樹の場合は、なつとの関係ばかりが強調されて、実孫との関係が希薄(明美との間に、ドラマを通して会話がゼロだった気がす
る)。そして今回の草間の場合は、直子と何も関りがなかったこと。

それは草間が喜美子の方に興味を持ったのと、気が合ったからでは?とも思いましたが、草間は戦争で傷ついている。そして直子
も同様。ということを考えると、草間の様に優しい人間が直子に「何も感じていない、その描写がない」というのはおかしいと思
う。

この作品。草間や直子のみならず、照子の兄や、柔道の以前の道場主が戦死したことを盛り込んだりと、「戦争に傷ついた人」の
ことを書く気満々なのに(「まんぷく」は逆に、戦争のことをあまりドラマに入れたくないような印象を受けたが、本作は逆)、
戦争に傷ついた、ヒロインの妹と同居人の交流を少しも描かないのはやはりおかしいと思う。

どうもこの作品を見ると、直子のことを掘り下げて描く気がないように見えてしまう。常治が喜美子とはしっかりと関わろうとす
るのに、直子とのシーンがほとんどないので、喜美子と直子の描き方がアンバランスに見えてしまう(常治のような人間は、長女
と次女の違いはあっても、娘たちに平等に関わろうとすると思うが、ここまで見る限り、常治&直子 も、しっかりとは描かれて
いないと思う。泰樹と他の孫たちよりはましだが)。