いだてんはアスリートの物語ではないという視点が重要だね。
スポーツがもたらす本物の感動は、今日のようなその場かぎりのリアルな瞬間にしかなく、
「複製芸術」の感動はそれとは別個のものだ。
のみならず、よくわからぬ落語家人生を挿入しての「オリンピック招致物語」を
テーマとして人間ドラマを展開しようとしたのが大河いだてんなのだから、
アスリート物語にしろーっていう難癖は明らかに頓珍漢。
その上で、これが面白いのかと問われると、宮藤始め制作陣の力量に敬意を評しつつも
(昔は良かったーより作劇上のアレコレは進化している)疑問符がついてしまう。
今回、ごりんというオリキャラが誰かと見事に繋がった。クドカン伏線回収すげええー
と絶賛されてもそれがどうしたという感慨しか持てない。
どんなに素晴らしいテクを発揮しても、歴史劇における伏線とはそんなものではないのです。