>>180
それは東国国家論とか二重王権論のエッセンスでありますが、その立場だと清盛の位置づけは
どうしても低くなる。不完全なプロトタイプでしかない。でも、初めての武士の政権は、誰がしても、
それ以前の貴族の統治機構を真似ることしかできなかったと思う。まず真似ることから始めなけ
れば、その次に武士の世にあった新しい統治機構をつくりあげることなどできなかったろう。

要約すれば平清盛の功績は、パワーとマネーの両方を動かしたこと。武力というパワーで貴族から
政権を奪取して運営することが可能なのだと人々に知らしめ、貨幣経済の導入定着という骨の折れ
る仕事を断行したことで、マネーの時代が本格的にこの国で根づくことができるようになった。
マネーの時代とは、生まれながらの身分や序列ではなく、個人の才覚で、どんどん地位上昇できる
時代になったということで、この2点が変わらなければ、貴族の世がずっと日本で続いていたと思う。
武士の世は一日にしてならずです。

いつかNHK大河で、中世史を再びとりあげる日がおとずれたらいいな。