<『るろうに剣心』高荷恵〜色っぽい大人の女設定は会津女性としてどう?>

>高荷恵周辺の設定は、フィクションで増幅された会津藩のイメージありき。あまりリアリティがないと感じ
>てしまいます。

>恵そのものが、明治の会津藩ルーツ女性のイメージから見て、かなり隔たりがあるのです。

>2013年大河ドラマ『八重の桜』もあってか、明治の会津女性・八重が描かれる機会が増えました。
>結果、恵はいろいろと粗が目立つ感があります。

>高荷恵像への違和感の背景には、和月先生が大好きである司馬遼太郎の幕末作品に通じるものも感じます。
>司馬は新選組、特に土方歳三には愛着があったとは思えるのですが、そんな新選組を預かっていた会津藩に
>対しては、嫌悪感があったとは思える箇所が多いのです。
>『王城の護衛者』という松平容保を扱った傑作短編もあります。
>会津若松市には、司馬遼太郎文学碑もあります。

>司馬は何も、会津藩を常に悪く描いていたというわけでもない。会津藩の苦境を知らしめた功績もある。
>けれども徳川家康同様、うっすらとつきまとう嫌悪感はあると感じます。史実と比較すると、それが目立つ
>のです。

>私一人だけの妄想とも言えません。
>一例として、幕末会津藩家老・田中玄宰の子孫である田中清玄をあげますと、彼は司馬の作品に対して「薩
>長を利するものである」という痛烈な批判をしています。

>高荷恵をまとめると、司馬ワールドの幕末価値観が根底にあると思えてきます。

 ◆頑固で保守的な会津藩
 ◆進歩的な高荷家は脱藩する
 ◆そんな恵は、明治としては斬新な女医になる!

>そういうテンプレートですね。ものすごく意地悪な言い方をしますと、後進的な会津藩の例外的存在としての
>目立たせ方ですね。

続きます