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>そして久々の稲葉山城では――あいつがおりました。稲葉良通です。

>高政をさんざん弄び、操った印象がある。演じる村田雄浩さんが「どこが一徹だ!」と突っ込んだわけじゃないです
か。
>久々に見ましたけど、やっぱりこいつはイライラする顔をしている! はぁ……もう嫌だな。
>「十兵衛、ははは! 十兵衛ではないか!」
>もう、この笑いの時点で、イラっとしてくる。お互いしぶといとか言っているけどさぁ。光秀は不快感をじわりとに
>じませつつ、そこは如才なく織田家に仕えていると聞いています。

>なんでも龍興様は美濃すら治められない、何事も一人で決められない、我らは振り回されてばかり、と。その点、信
>長様は器が大きいとか、ついていくならこの方しかいないと思ったそうですよ。
>いろいろあったと言いつつ「これからは織田家を支えて参ろうぞ!」だってさ。

>光秀が凍りついたような目をしています。
>気持ちはわかりますよ。信長と似たタイプの道三には、あれだけ冷たい態度を取っていたし。高政をおだて持ち上げ
>神輿にして、親殺しに導いたようなところはある。
>忘れられるか、この野郎……。そういう不信感をきっちり見せる光秀が不穏かつ怖い。

>人間は理想だけには生きられないから、仕方ない。そういう妥協が光秀はできない。ゆえに、この先、悲劇が待ち受
>けているのでしょう。
>でも、それも生き方だと思います。

>良通は愚かでもないし、むしろスマートです。世渡り上手です。
>けれども、生き延びて甘い汁をすすれるかだけ考えていて、理想も何もない人生って、それはそれで虚しいような気
>もしなくはありません。

>光秀はとても悲しいし、羨ましいところもある。そういう人だと思えます。

続きます