>>995続き
 だから、主人公に感情移入出来ないのは当然なんですね。だってこいつは裏切って裏切られて死ぬんですから。このドラマはその過程を描いているんですから。
 その意味では現時点で見事に種を蒔いている。上の者からは不思議と好かれ、同僚や上司の側近からは距離をおかれている。

 端的なのは今週だと朝倉の鼠探し。光秀は苦虫噛み潰しながら見てるだけですが、普通は苦虫噛み潰しながらも探します。源二郎なら探します。ああゆう奴同僚にいたらどうします?いざという時助けないでしょ?
 要はこいつは上司をそうゆうふうに見ているから最後裏切るし、そんな行動とっているからみんなから見放される。このドラマはそういう所描いていたんですね。意味合い的には真田丸の三成の干し柿みたいな感じなんですね。
 つまり、真田丸ならコメディで描いている所を、麒麟がくるではシリアスに描いている。シリアスに描いているからこっちは主人公に感情移入しなきゃいけない気がするけど、主人公に感情移入したら負けなんですね。
 さもないと最後に猛烈な後味の悪さを食らうことになります。このドラマは「だから、裏切られるんだよ!!」って思いながら見るのが正解なんでしょう。

 そんな中での武者です。武者は完全に光秀に感情移入している。つまり、負けなんです。例え本人が勝ち名乗りをあげようと、今度は表裏比興をかまさないと負けるんです。自分の好きな作品で。

 私は年末それが楽しみで仕方ない。
 取り繕うでしょうし、言い訳するでしょうけど、自ら選んだ道で大事なものから裏切られる姿はぜひ見てみたい。