大活躍したオウムちゃんは、脚本家の頭の中ででっち上げられたアイテムどころか、
頼長の日記により彼の愛玩動物であったことが判明している歴史的な素材である。
あの「如何でござりますかそこからの眺めは」にしても、治承クーデターで朝廷簒奪、
遮るもののない絶対権力を手中にしたはずが、あらゆる怨嗟を一手に引き受けてジェットコースター
の如く転落していった清盛平家を、逆説的かつシンボリックに表現したものであった(漆黒の闇)。
しかもここで応用されたのは、無邪気な幼児言仁(安徳)による障子穴あけに嬉々となった好々爺清盛
なる歴史上著名なエピなのである。