土方歳三は会津では人気者で、特に白虎隊の少年達は彼を慕ったそうです。戦になる前に少年たちが口々に「我々は侍として命を惜しまず立派に戦います」と言うと、土方は「それも立派な心がけではあるが、君たち若者は生き残ってやらなければいけない仕事がある」と諭したという。土方にすれば、年端の行かない、自分の年齢の半分に満たない少年たちが死んでいくのが辛かったのだろうし、この少年たちに比べて、武士の頭領である徳川慶喜の敵前逃亡という卑怯、未練な振る舞いを(土方の価値観では慶喜の行動は`士道不覚悟`であり、新選組の規範で検断させてくれるなら`即刻斬首申し付ける`といった所だったろう)みてきただけに、慶喜への憤りもあったろうね。