>>716
もうちょっとコピペするわ

こたびは母君に妾をいだかせ。叔母君(貞子君)をもともに宿根なる親族がりやらせ給ひけり、此所の御対面は只束の間なりければ。かたみに恙無かりける面わ見かはし給ひけるがせめての心やりにて。うさをかたらひなぐさめ給ふ暇もなく。やがて立別れ給ひけり。この時岡部なる陣屋の役人ども大人等が一橋家に仕ふることを心よからず思ひて。しひてさへぎり留めまくせしかど。事成らざりける心やりに。腹あしうも逢ひにまかりつる家族をとらへて耻見すべしなど云ふ由ほの聞えければ。其あけの朝まだいと暗きに母君はわらはをかきいだき、叔母君と共に畔とも云はず。畑ともいはずひた走りにはしりて家に帰らせ給ひけりとぞ。