この残酷な任務で命を落とした一人の若き特攻隊員に関する資料が、今あらためて注目を集めている。
学徒出陣で陸軍に入った上原良司は、戦局が悪化する中、特攻隊員に志願。出撃前夜まで、自分の心情を手記などに書き続けた。「明日は自由主義者が一人この世から去って行きます」。非情な運命と闘った若者の、揺れ、うつろい、それでも考え続けた心の内を見つめる。