第四十六話「文禄」(55)

「太閤殿下は、大政所様のご葬儀をすました後、十一月に名護屋にお帰りになられるそうじゃ」
景勝と兼続が情勢分析をしている。
「御渡海は明年になるようでござりまするな」
「うむ、われらも出陣じゃ。腕が鳴るのう」
上杉景勝、待ちくたびれて気が逸っている。