なんだかんだ言って、武者(小檜山)氏はなんによらず
「嫌いなものの叩き棒として機能するかどうか」に価値基準を置いてるんでしょうね。
だからすぐ論点がブレるし、けっきょくどこがどう良いのかをちゃんと説明できているようでいない。
「aを褒めるためにbをけなす」ということは往々ありますけど、この人は常に
「bをけなすためにaを褒める」という感じにしか見えない。

「いだてん」にしても、最初はこの人の大嫌いな「まんぷく」と時期が重なって、
その叩き棒にもってこいだと思ったから、最初は好意的だった。
ところが「なつぞら」が始まって、これが結構好みだった(叩き棒として機能していた)
から、「いだてん」をどう扱うかに困り始めた。
それ以前に叩いていた作品はいくらでもあるけれども、いかんせん年代が離れすぎてるから
それらに対してはあまり機能しない。
そればかりか、逆に毛嫌いしている方向に進みだした。ここで完全に叩き棒として機能しなくなった。
とにかくこの人にとって叩き棒は何本あっても足りないから、一本でも使えなくなるともうダメ。
なぜなら、その叩く対象はドラマばかりか自分をチヤホヤしてくれない人たちでもあるから。
で、本人としては「騙された、裏切られた」という気分になり、矛先はそちらに向く。
とまぁ、こんな感じではないかと。