第72回NHK杯将棋トーナメントの決勝が19日午前、NHKEテレで放送され、藤井聡太王将(20)が佐々木勇気八段(28)を116手で破り、初優勝を果たした。将棋の棋戦は称号を奪い合う八つの「タイトル戦」と、トーナメントで優勝者を決める四つの「一般棋戦」に分かれる。藤井王将は2022年度、三つの一般棋戦(朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、将棋日本シリーズ)で優勝しており、単年度で現行4棋戦を全て制したのは史上初の快挙。対局日は2月13日。佐々木八段は17年7月、藤井王将のデビュー以来の連勝を29で止めたことで知られる。22年度の名人戦B級1組順位戦を1位で終え、A級入りが決まっている若手実力者。 終局後、藤井王将は「自信のない局面もあったが、積極的に攻めたことがいい結果につながった。今まで早指し棋戦では結果を出せていなかったが、決断よく指す方針を貫いて優勝につなげることができてうれしい」と喜びを語った。 現行の四つの一般棋戦がそろった1992年度以降、97、98、11年度に羽生善治九段(52)が三つを制したことはあるが、四つとも優勝した例はなかった。【丸山進】
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