相模守、私は子供を作るのが恐ろしいのだ
今まで何人の源氏の嫡流の血が、権力争いの犠牲となって惨殺されてきたと思うのだ。
この鎌倉の幕府が開かれてから数えたって、
古くは木曽義仲、その子の義高。
九郎判官義経、白拍子の静が生んだその赤子。
阿野全成にその子の頼全。
兄上は言うに及ばずその子の一幡も。
甲斐源氏の血を引く武田も安田も、そして平賀朝雅も。
源氏の一族は、源氏の血を引いているというだけで、ことごとく争いの渦に巻き込まれ
この世から抹殺されていく
もし、私が殺されるようなことがあれば必ず私の子供も殺される
それが分かっているのに子供など作れるものか