高台院
「ほんとうですこと・・・家康殿も息災なご様子・・・
こたび豊臣家は残念なことになりもうしたが
家康殿には、罪はござらぬ・・・よく耐えてくださり
もうした。信長公ならとっくに潰されておったろうのう・・・
そこでじゃが・・・家康殿と見込んで無理を承知で
お頼み申す。
秀頼殿の遺児のことじゃが、国松は男子ゆえ
諦め申すが、姫は、おなごゆえ許してもらえぬか?
もちろん子孫が徳川に刃を向けぬよう
出家させ生涯独り身で過ごすことにはなるがのう。
これで、どうか・・・折れてくださらぬか・・・」

家康は腕組みをして
「う〜ん・・・」