薩摩の過酷な年貢徴収や腐敗した役人や男尊女卑に娘の身売りとか、黒歴史を
容赦なく描いてるね。特に娘の身売りは、韓国の慰安婦を連想した。

戦前の日本も庶民は貧しくて、東北・九州・沖縄・植民地の台湾・朝鮮の貧困地帯の少女は
「からゆきさん」として海外に出稼ぎ売春婦として売られ、異国の娼館で日本の親兄弟に
仕送りしながら、現地人・日本人・白人の客を取り身を粉にして必死に働いた。

江戸時代の娼婦の平均寿命は23歳ぐらいだったが、戦前の娼婦も結核・肝炎・風土病・梅毒などに
罹り、多くは若くして異国の土となった。
奇跡的に帰国できても、親兄弟に仕送りしてきたのに、娼婦は一族の恥と縁を切られ
梅毒が発病して気が狂ったり顔が崩れ貧困のうちに孤独死した悲しい歴史がある。

ベルリン映画祭でグランプリを取った実話の映画化「サンダカン八番娼館」は、九州天草の
貧しい農家の娘が、インドネシアのサンダカンに「からゆきさん」として売られ、借金を返しながら
日本の親兄弟に仕送りをして、やっと帰国したが貧困のうちに孤独死。

サンダカン娼館の女将が娼婦あがりの成功者で水の江滝子。老娼婦が田中絹代。
戦後に娼婦の実態を知らべるルポルタージュ作家が栗原小巻で、スカパーで見た。

国連事務総長が来日したとき、日本の子供の貧困を指摘されたり、子供食堂や
女性の貧困率も高いとか、斜陽日本の現実が厳しいから、こんな生々しいドラマは
現実を思い出して視聴率は伸びなさそう。
「アシガール」のようなファンタジーSF時代劇のほうが気楽に見れる。