両軍合わせて一万三千人以上の戦死者を出した『西南戦争』は、ここに終結した。
久光と海江田、静岡でふきと暮らしていた慶喜、従道と糸たち家族は、思い思いにその死を受け止めた。

『龍馬とよろしくやってるか、西郷どん』
勝は、夜空を見上げてつぶやいた。

大久保は、西南戦争が終結した翌年、馬車で赤坂仮御所へ向かう途中に暗殺された。
その手には、隆盛からの書状が握られていたという。
『国を一つつくるというのは、全くえらかことじゃなぁ。じゃっどん、こいでなんとか出来上がる事じゃろう。
あと百年、百五十年経ったらどれほどか、ましな国になる事じゃろうなぁ。』

天を敬い、人を愛した男の一生であった。


【完】