制作統括が語る
NHK大河、なぜ再び近現代?

描くのは幕末から明治時代にかけての
物語。制作統括の菓子浩チーフプロデ
ューサーは「今、少子化、高齢化、格
差の問題とかいろんな不安がある中で
閉塞感を感じている方もいると思う。
そんな時代だからこそ、幕末から明治
にかけて、大きな時代が終わって新し
い時代が始まる、大きな時代のうねり
を描きたいと思って、その時代にした」

大森氏も「得意とされている時代」だ
としたうえで、「バッと時代が動く変
革の時期を描きたいと。他の時代も考
えたが、早い段階で幕末にしぼってい
ました」

大森氏に脚本を依頼したのは1年半ほど
前だったとし、その後、「あらゆる時
代をあらってみましょう」と勉強会を
したといい、「その中(リストの中)
に渋沢栄一さんも入っていた。もとも
と渋沢さんも考えてはいたが、お札の
発表が後押しにはなった」

大河ドラマでは近現代は視聴率を取り
づらいという見方もある。
「本当に数字的な、マーケディング第
一の発想で作っていたら、2回連続の
戦国のほうが当たるかもしれない」
「でも、それも本当に当たるかも、誰
にも分からない。後からみたらそうだ
ったというだけの気もする」
「数字を気にしないと言えばウソには
なるが、私たちができることは本当に
いいものを作っていくことしかない。
まだ、放送は2年先だが、できるだけ
多くの方に届けることしか作り手とし
てはない。中身で頑張っていくしかな
い」と力を込めた。