MVP:明智光秀(←小タイトル)

>道三もいい。光安も。けれども、今週は光秀が光りました。
>主役のイメージがないとか、食われていると言われることもある光秀ですが、今週はまさしく絶品でした。
>馬に乗る。甲冑を身につけいて、膝をつく。所作が綺麗にできているのに、目立たない。

>これは川口春奈さんが美しく見せようとせずに泣いているところでも感じたところですが、作り物らしい見せ場をする演技を排除
>しようとしていると思えます。

>高政との対峙も素晴らしい。相手を責め立てるわけでも、論破するわけでもない。
>ただただ戸惑い、悲しんでいる。まるで寺で学んでいた頃のような、子どもに戻った困惑すら出ているところが眼福でした。

>光秀は、鏡のような存在かもしれないと思えました。
>相手の心を読み取り、即座にさっと寄り添える一方、残酷な真実も突きつけてくる。
>牧が逃げないと決めたら、困りに困って、一緒にいると言ってしまう。伝吾が説得に回るのもそうです。

>高政は、光秀が寝返ったと思っているけれども、光秀からすれば変わったのは高政です。
>光秀という鏡に、道三が「愚か者、おぞましく醜い」と指摘した自分の像が映っているからこそ、高政は怒り狂ってしまう。
>道三は、そんな鏡のような光秀を信頼しました。ケチで嫌いだと言う鏡を、道三は愛したのです。

>光秀が信長を討ち果たす理由も見えてきたとは思います。野心?黒幕がいる?
>心理的な齟齬でしょう。光秀は信長から照射される殺気や悪意を跳ね返し、自分もろとも滅ぼしてしまう。

>そういう結末に至ることはわかってきたのだから、本作が完結すること願うばかりです。

続きます