神託
 一 近日高天ケ原より神兵天降り皇天子十年来憂慮し給ふ
   横浜箱館長崎三ケ所ニ住居致ス外夷の畜生共を不残踏殺し
   天下追々彼の欺に落入石瓦同様の泥銀にて日用衣食の物を買とられ
   自然困窮の至りニて畜生の手下に可相成苦難を御救被成候間神国の大恩相弁ひ
   異人ハ全狐狸同様と心得征伐の御供可致もの也

 一 此度の催促に聊ニ而も故障致候者ハ即チ異賊の味方致候筋に候間無用捨斬捨可申候事

 一 此度供致候者ハ天地再興の大事を助成仕候義に候得は永く神兵組と称し
   面々其村里に附て恩賞被仰付天朝御直の臣下と相成
   万世の後迄も姓名輝き候間抜群の働可心懸事

 一 是迄異人と交易和親致候者ハ異人同様神罰可蒙儀ニ候得共早速改心致
   軍前に拝伏し身命を抛御下知相待候ハゝ以寛大の神慈赦免可有之候事

   天地再興 文久三年癸亥冬十一月吉辰
                    神使等(印)謹布告
   右文言早速書写し寄場村々江無洩様触達可申候
    もしとりすて候者有之候ハゝ立処に神罰可有之候以上
                               当所年寄共江