>>12の続きです〕

【昭武の家を見つけたものの、通訳の担当が「値切りなんてできない」として交渉を断ったというのです。
 武士は金に頓着がないと栄一は愚痴るのですが、小栗忠順と接触していて、この意見はさすがに無いでしょう。五代の才覚だって描かれています。
 そこは「侍」でなくて、お仲間・水戸学フレンズの問題ですね。このドラマの栄一って、やはり思い込みが激しい。
 強い意思を見せたいのかもしれませんが、実際には、偏見が強く、過度に感情的で、しかも人の悪口を楽しそうに話すように感じる。彼は儒教の何をどう学んでいるのでしょう。
 異国の地へ出向いたときこそ、ドラマに深みを与えるような、儒教による知性を見せる格好のチャンスではありませんか? しかし……。】(1ページ目)
 → 小栗や五代が経済感覚に優れていたとしても、それが一般的な武士階級に妥当したのか?後に「お武家の商法」という言葉が存在したことを知らない武者氏なのでした。
  なお、栄一の考えが不適切だと仮定しても、それが「水戸学フレンズ」や「儒教の何をどう学んでいるのか」に繋がる理由が分からない。

【書店で歴史関係の書物をざっと見ているのですが、『青天を衝け』がらみのものがどんどん減っている。『大河なんて毎年そうでしょ?』と思われるかもしれませんが、実はそうでもない。
 現に、明智光秀がらみの書物は、まだぼちぼち見当たります。そもそも戦国時代は人気ありますが、『麒麟がくる』の放送決定前にこんな状況は考えられませんでした。】(2ページ目)
 → 「『麒麟がくる』の放送決定前にこんな状況は考えられませんでした。」とは意味不明。なお、戦国大河と幕末・明治大河の人気、明智光秀と渋沢栄一の知名度の違いは歴然としているので、別に書籍の配置に異同が生じても不思議ではない。

【ただし、ネット記事にしても、『青天を衝け』を持ち上げ続けるのは苦しいようで、例えば『現代ビジネス』さんの2021年上半期ベスト記事はこちらでした。
  ◆豊臣秀吉「本能寺の変を事前に知っていた」説は、やはり正しかった…! 【2021年上半期ベスト記事】(→link)
 栄一ではなく秀吉。本能寺の変とあらば光秀・信長関連でもありますね。】(2ページ目)
 → このリンク記事を強引に光秀と栄一との違いに結びつけようとする武者氏に脱帽!なお「上半期」について論じるなら、『麒麟』が2月第1週まで放映していたことにも注意が必要。

【来週の【大政奉還】は、ドラマの内容をすべて鵜呑みにされないほうが良さそうです。本作は『徳川慶喜公伝』をベースとして描くかもしれず、そこには多分に慶喜のアリバイとプロパガンダが含まれている。
 他の資料や証言と付き合わせて蓋然性があれば問題ありませんが、「だって『徳川慶喜公』でこうあったから『青天を衝け』の内容は本当なんですよ!」と主張するのは危うい限りです。】(2ページ目)
 → 『青天』に限らず大河ドラマの内容を鵜呑みにしてはいけないことは当然。あえて「来週の注意」を呼び掛ける武者氏に、「他の資料や証言と付き合わせて」みる意図が皆無だと思うのは私だけ?

(B)【以下の記事にもありますように、徳川昭武と渋沢栄一のヨーロッパ道中は、いくらでも面白い話がある。それなのに全く活かしきれてないような今週の放送は困惑するばかり。】(2ページ目)
 → 昭武と栄一の道中物語に尺を割けば、幕末の政治史を描く余裕がなくなると思うのだが、それでは上記(A)の武者氏の主張と両立しないのではないか?

【あまりに腹が立ったので、今夜は『衛府の七忍』でも読むしかないと思いました。チェストとは知恵捨てと心得たり、いざ!】(2ページ目)
 → 『青天』ではなく、武者氏のレビューを読んで腹を立てて漫画を読む人が増える、出版社の収益アップ!そういう裏事情があったとは・・・

〔続きます〕